地元の人からリトアニア語で Kryžių kalnas と呼ばれ、首都ヴィリニュス (Vilnius)から車で3時間の距離のシャウレイ (Šiauliai)にあるのが、十字架の丘 です。
ソ連時代の独立運動ではリトアニア人の象徴的な場所になり、2001年にはユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、歴史的にも価値のある場所となっており、リトアニア観光には訪れておきたい場所の一つ言えます!
この記事では、別名:十字架の墓場とも呼ばれる、リトアニアの十字架の丘の歴史、行き方、見どころ、そして私ていぷが個人的に聞いたこの地に関するちょっとした都市伝説について紹介していきたいと思います!!
入場料は無料なのでご安心を!
10万以上が並ぶとされる十字架の丘とは?【歴史】
現在、十字架の丘は観光客にも十字架を立てることが許可されているため、その数は年々増えていることが報告されており、丘には10万を超える十字架が立てられているそうです!
今こそ観光地として多くの観光客で賑わっていますが、それ以前はリトアニア人の
抵抗・抗議の中心地として認識されていたようです。
ここでは十字架の丘に関するリトアニアの歴史を簡潔に記しておきます。
①1800年〜:ロシア帝国による支配
実は十字架の丘の起源は現在もはっきりとは判明しておらず、十字架が初めて建てられたのは
1831年のリトアニアがロシア帝国による支配を受けていた時代であることのみ判明しています。
ロシア帝国の一部として併合されて以降、リトアニア人は不条理な扱いを受けており1831年と
1863年に2度の反乱を起こしますが、一方的に沈められ多くの人々が亡くなる結果となりました。
その際、後に十字架の丘になる砦に亡くなった反乱軍の家族が遺影の代わりに当時禁止されていたカトリックの十字架を遺影として立てたことが始まりでした。
②1900年〜:ソ連による支配と独立
1917年にロシア帝国が崩壊し、第二次世界大戦後リトアニア人を待ち受けていたのが、
独裁者スターリンが率いるソビエト連邦による支配でした。
ソビエトによる支配の間、多くの人々が不当にシベリアに強制送還されるだけでなく、ソ連の秘密警察による監視のもとで一切の言論の自由なく貧しい生活を送ることを余儀なくされました。
そして再び十字架の丘はリトアニア人にとって特別な場所となり、多くの人々が平和的な抵抗の象徴としてリトアニアの独立の願いをこめた十字架を立て始めました(独立まで、ソ連は少なくとも3回は丘を破壊していることが確認されています)。
③1991~現在:自由の象徴の地として
ソビエト連邦が崩壊し、リトアニアが1991年に独立宣言をしたあとも十字架の丘は人々の
自由と抵抗を象徴する場所として多くの自由を訴える人々が訪れる地となっています。
見どころ・所要時間
個人差はありますが、観光の所要時間は1時間ぐらいといったところ。
ここでは筆者が印象的だった見どころを三つ紹介していきたいと思います !!
① 正面から見る圧巻の光景
十字架の丘に到着したら、一番初めに目にするのがこの光景になると思います!
ここでは、高さ 3メートルを超えるであろう十字架を何十本も確認することができ、
その神秘的とも呼べる光景に鳥肌が立つこと間違いなしでしょう!
② 100m以上続く十字架の道
正面から見るとわからないですが、階段を登るとかなり奥まで十字架の道が続いており、
その数と量により一層圧倒されるでしょう。
道中さまざまなデザインをした十字架を見ることができ、自分のお気に入りや変わった十字架
を見つけるといった楽しみ方もオススメです!
③ 十字架の千手観音
上で紹介した十字架の道を抜けた後の丘の下にあるのがこの千手観音を思い起こさせるような無数の十字架を身につけた木像!
おそらくリトアニアの一般的な信奉者の姿をしたこの像は、写真では伝わりづらいのですが
とても大きく存在感も圧倒的に際立っていました…
実は心霊スポットとしても有名?
知り合いのリトアニア人によると、実は一部の心霊ファンの間ではかなり有名な心霊スポット
として知られているようで、調べて見るとイギリス最大手のBBCのトラベルサイトでも紹介
されるほど有名であることが判明!
記事によると、かつて丘には教会が存在していて、日の出になると丘のふもとで僧侶の幽霊が
現れる という報告や、1300年代に起きた宗教戦争で亡くなった兵士の魂が真夜中
に現れ、今もなお戦っているなどの話があるそう。
心霊系が好きな人はぜひ夜の訪問をトライしてみては…?
参照元:こちらをクリック(BBC)
アクセス方法 (日帰りも可能!)
こちらでは、首都のVilniusと第二都市 Kaunasから十字架の丘へのアクセス方法について
紹介していきます!
リトアニアの交通機関は基本アプリでスケジュールの確認、検索とチケットの購入が可能
なので,こちらの記事から事前にダウンロードをオススメします!
① シャウレイまでの行き方
十字架の丘があるシャウレイまでは鉄道か都市間バスの2つの方法が毎日運行しています!
Vilniusと Kaunas どちらの都市も駅とバスターミナルは街の中心部の目と鼻の先に位置しているので
移動も簡単です!
また先に結論から言うと、本数は少ないですが、快適で短い移動時間で済む鉄道をオススメします。
鉄道
Vilnius – Šiauliai の場合
1日の運行本数:5 ~ 7本
所要時間:2時間半
値段(片道):12 ~16ユーロ
Kaunas – Šiauliai の場合
1日の運行本数:5 ~6本
所要時間:2時間(直行)
値段(片道):10 ~15ユーロ
メリット:値段がバスより安く、快適にリトアニアの風景を味わいながら移動できる。
デメリット:本数が少ないため、時間の融通がきかない。
リトアニア鉄道は窓口でのチケット購入も可能ですが、公式サイトから
事前に購入することをオススメします:リトアニア鉄道公式サイト(英語対応)
都市間バス
Vilnius – Šiauliai の場合
1日の運行本数:12 ~ 13本
所要時間:3時間半
値段(片道):17 ~ 23ユーロ
Kaunas – Šiauliai の場合
1日の運行本数:14 ~ 15本
所要時間:3時間
値段(片道):13 ~18ユーロ
メリット:本数が多いため、好きなスケジュールを組みやすい。
デメリット:長時間移動と荒れている道路もあるため、疲れやすい。
バスでの移動は電車と比べると1時間以上かかってしまうので、電車の移動がスケジュール上合わない場合は行き帰りの片方をバスにするといった利用方法もオススメです!
こちらの記事では、リトアニアの交通機関についてもまとめてあるので、より詳しい情報を知りたい方はどうぞ!
② 中心部から十字架の丘
十字架の丘はシャウレイの中心部から12キロほど離れた場所にあるので、
市バスを利用するかタクシーをチャーターするかの二択になります。
お金に余裕がある または シェアする仲間がいる場合はタクシーで、そうでなければバスで向かいましょう!
市バス (バスターミナル発)
十字架の丘へ向かうバスの路線はシャウレイのバスターミナルの12番のプラットフォームから発着
しており、電車でシャウレイに来た方は駅からバスターミナルまで徒歩15分ほどの距離なので
向かいましょう。バス移動の方はそのままバスターミナルに到着するのでご安心を。
バスターミナルに到着したら、十字架の丘へむかうチケットを購入しましょう
十字架の丘は Domantai (日本語でドマンタイ)という途中のバス停が最寄りのため、注意しましょう。
チケットの購入方法:
① バスの運転手から直接購入する(現金のみ):乗車時に運転手にドマンタイと目的地を伝え運賃を支払いましょう。(基本的に英語は通じないので、目的地を伝えれば十分です)
② ターミナルの自動券売機から購入する(オススメ) : ターミナルの中にタッチパネル式の自動券売機があるので、目的地にDomantaiと入力して購入しましょう (英語対応)
③ アプリから購入する:autobusų bilietus というアプリから事前にE-チケットを購入して、乗車する際に電子チケットを提示しましょう。(リトアニア語のみ)
※②と③の場合、帰りのチケットも一緒に先に購入すると楽です。
そのまま12番のプラットフォームへと向かい、バスの看板に Šiauliai – Joniškis と
書かれたバスがきたら乗り込み、目的地のバス停へと向かいましょう。
バスターミナル – ドマンタイ(Domantai)
1日の運行本数:14 ~ 15本 (※19時代で終便)
所要時間:20分
値段(片道):0,9ユーロ
こちらが降車するバス停となるので、ぜひマークしときましょう
Bolt タクシー
リトアニアではBoltと言う配車タクシーアプリが普及しているので
こちらを利用すれば、中心部から片道8ユーロほどで行くことが可能です。
※インターネットが必要となるので、利用するにはSIMカードを購入する必要が有ります。
③ バス停から十字架の丘までの徒歩ルート
運転手がバス停で停車してくれることが多いですが、念の為に近づいたタイミングで降りる準備をしておきましょう。
降車すると何もない一般道が広がっていますが、あとは十字架の丘まで20分ほどの歩くのみなので、
そのまま目的地へと向かって歩き出しましょう。
15分ほど歩くと、上の写真のようにインフォメーションの看板が目印として見えてくるので、そこから左手の駐車場へと曲がって、入り口がある情報センターへと向かいましょう。
入り口からは一本道なのでそのまま真っ直ぐ進むと、平原な中に十字架の丘が現れるので
簡単に辿り着くことができます。
まとめ
以上がリトアニアを代表する観光スポットの十字架の丘の歴史、アクセス方法、見どころでした!
筆者の行ってみた感想は、とにかく目の前に広がる異様な光景に圧倒されたのと、それぞれの十字架に人々思いがこめられているのを感じてリトアニアの歴史を肌で感じることができました。
(マニアックな話ですが)筆者が大好きなゲームである キングダムハーツのモデルとも
言われている場所なのでご存知の方はぜひ確認して欲しいです!
ヴィリニュスやカウナスからの日帰りも十分に可能なので、時間に余裕があればぜひ訪れてみては!
それでは次回また Viso gero!!
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